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スマートライフ事業をけん引する金融・決済領域
トップが見据える“金融サービスの未来”とは?

現在ドコモでは、スマートライフ事業を全社的に拡大している。その成⾧をけん引するのが、コンシューマサービスカンパニーにおける金融・決済領域だ。熾烈さを増す決済マーケットの中で、陣頭指揮を執る幹部はどのように成長への道筋を描いているのか。ドコモが金融サービスを世の中に提供する意義や今後の展望について、金融・決済領域の責任者 江藤俊弘氏に話を聞く。

江藤 俊弘

常務執行役員 金融決済領域 統括長

江藤 俊弘

1990年、日本電信電話に入社。NTTリース(現NTTファイナンス)を経て2002年ドコモに転籍。一貫して金融分野に従事し、大手金融機関やベンチャー企業、異業種とのアライアンスを通じて、ドコモの新たな金融・決済サービスをけん引。よりよい社会の創造に尽力する。

1. これまでの仕事の経歴

通信の巨人が挑む金融革命。ドコモが切り開いた決済サービスの道

ドコモで金融・決済事業に携わって20年以上が経ちます。当初は「ドコモが金融サービスなんてやるの!?」と驚かれていたのも今では懐かしいぐらい。近年、決済サービスをはじめとした金融事業は大きく成長しました。金融事業の主軸となっているdカードの発行枚数は1700万を超え、d払いもユーザ数が5000万を超えました。街中のお店でも、「d払いで!」という声をよく聞くようになり、ドコモの決済サービスが日常生活の中で浸透していると実感しています。

急成長の背景としては、モバイル通信キャリアのドコモが金融サービスを提供しているということが大きいでしょう。モバイル通信サービスを通じて世の中に新しい「あたりまえ」を生み出してきた私たちには、いかにお客さまにハードルを感じさせずに分かりやすくサービスを提供するかということを徹底的に考え抜くことがDNAとして根付いています。ここに、難しいイメージのある金融サービスを多くのお客さまに使ってもらえる理由があるのです。また、事業展開においては、dポイントクラブの顧客基盤やドコモショップの店舗網など、当社のアセットを活用できることも大きなアドバンテージです。これらは、競合他社との差別化を可能とし、独自に顧客数を確実に伸ばしていく要点であることは間違いありません。
ドコモはこれまで、dカードやd払いといった決済サービスを中心にサービス展開をしてきましたが、昨年度にはマネックス証券とオリックス・クレジットと資本提携をおこない、投資分野への本格参入とローン分野の強化も目指しています。ドコモは多様な金融サービスをワンストップで提供し、多くのお客さまに複数の金融サービスをフリクションレスにご利用いただきたいと考えています。そのためにも、個々の金融サービスの磨きこみはもちろん、金融サービスのパッケージ化をどんどん進めていきたいと思います。
また、個人だけではなく家族のニーズに応えることも大事です。ニーズの可視化にあたっては、ドコモの持つデータの活用も図っていきます。

2. 印象に残った金融領域でのプロジェクト

ドコモ初の決済サービスプロジェクト「DCMX」の立ち上げ秘話

ドコモ初の決済サービスプロジェクト「DCMX」の立ち上げ秘話

これまでで最も印象に残っている仕事といえば、2006年にdカードの前身である「DCMX」というクレジットサービスを一から立ち上げたことですね。大手金融機関との共同事業として、傘下のクレジットカード会社に約1000億円の出資提携をおこなったプロジェクト、私にとってドコモで最初の大仕事でした。当時は、新聞にも大きく取り上げられ、注目されたものです。世の中を良い意味でびっくりさせ、少しでも良い方向に変えたい、そうした仕事に携わりたいと思っていた私にとって、ドコモはそれが実現できる会社だと感じられた原経験でもあります。

ドコモでキャリアをスタートした時は、正直言って少し不安もありました。NTTグループのファイナンス企業から突然転籍して来たものですから、最初は居心地の悪さを感じていましたね。ただその頃から、ドコモには異分子を受け入れる文化があったのだと思います。多少でも金融知識を持つ私のような人間が社内では貴重だったのかもしれませんが、業務に決済の知識が必要となった場合などに「これはどういう仕組みなの?」といろんな人が直接聞きに来てくれて、社内で知り合いの少なかった私にとってはとてもありがたかった。今思えば、壁を作っていたのは私自身だったんです。多くの人とつながって、「今度始まるクレジットサービスのプロジェクトにも参加してほしい」と言ってもらえるようになり、始まったのが冒頭のDCMXプロジェクト。人に恵まれた環境というのも、新しいサービスを生み出すのに重要な要素だと身を持って実感しています。

3. 仕事をする上での信念

大局を見据え、小さな一歩を大切に

私の座右の銘は、「着眼大局、着手小局」です。大きなビジョンを持ちながら、小さなことからスタートする。dカードも、最初からうまくいったわけではありません。それでも、「絶対に通信キャリアにクレジットカード決済サービスが必要とされる日が来る」という想いで、一つひとつ小さな取り組みを重ねサービスを磨いてきました。そして、共通ポイントに生まれ変わったdポイントとの密連携をきっかけに、一気に成長軌道に乗り始めたのです。このように、小さく始めたことが大きく育っていく場面をいくつも見てきました。今でも常に心に留めている言葉です。

昔は、「こんなサービスをはじめたら世の中にインパクトがある、イノベーションが起こせるぞ」という想いの強さが先行する、理想主義的なところがありましたね。今は様々なデータが容易に取得、分析できる時代になりましたから、ファクトがより大事だと考えるようになりました。現状を分析して課題を抽出、その課題を解決するサービスを企画し、リリース後にモニタリングもしながら、想定とギャップがないかをチェックする。独りよがりの空想で、大きく育った事業を失敗するわけにはいきませんから。ファクトに基づいて、世の中にフィットするサービスかどうか検証し、常にアジャストしていくことをとても重視しています。
とはいえ、やはり大きな想いから入っても良い。ファクトだけに頼りすぎると、現状維持や改善に終始してしまうこともあるかもしれません。常にファクトを確認しつつ、感性と想像力を豊かにしながら、いろいろなケースを想定して物事を進めていく。大事な意思決定をする場面では、強い想いとファクトのバランスを忘れないようにしています。

4. 金融決済領域での今後の展望

通信と金融の融合。次世代の顧客体験を目指して

金融サービスのパッケージ化については少し触れましたが、金融サービスだけではなく通信サービスとのパッケージ化も今後のトレンドです。既にドコモにはahamoポイ活やeximoポイ活がありますが、通信と金融のサービスミックスは今後もっと進化していくでしょう。ドコモならではの質の高いサービスは他にもたくさんありますし、それらを一まとまりとしてお客さまにより価値を感じてもらえる、より良い顧客体験を創造していきたいと思っています。これが当面の目指している姿です。

この先どんな変化が待っているか分かりません。もしかしたら決済の方法も大きく変わり、カードをかざしたり、スマホのバーコードを見せたりする必要がなくなるかもしれない。今後、生成AIやデジタル通貨などが新しい「あたりまえ」になった時に、ドコモはどういうサービスを提供できるのか、今あるサービスがどう進化していくのかを想像するのは、夢があるし楽しいと思いませんか?

金融サービスを多くの人にとって身近なものにする「あたりまえ」化を担うことができるプレイヤーは、日本でも限られています。そのポテンシャルを持つ企業の一社がドコモだと思っています。それこそが、今私がここにいる大きな理由です。これからも、金融領域における社会課題の解決を目指し、世の中がより良い方向に進んでいくための一翼を担えるよう、頑張っていきます。

5. 候補者に向けたメッセージ

前向きに、自分の夢を叶えたいと思っている皆さんへ

現在、世の中には金融サービスがあふれています。日本では銀行や証券会社などの金融機関も数多く存在しています。一見お客さまの基本的なニーズは一通り満たされているよう見えますが、一律の金融サービスに不満や使いづらさを感じたことはありませんか?金融業界は、小さなアイデアで大きくサービス性が変わっていく世界だと私は思います。その観点からも、お客さまの立場に立って、既存のサービスに何がプラスされればもっと便利になるのかを一緒に考えて、世の中に提供するところまでアクティブに動いてくれる仲間を求めています。
一方、ドコモの金融サービスは、一つのインフラと言えるほど事業規模も大きくなりました。社会へのインパクトが大きい分、もし障害や運用ミスが起きればそれだけ影響範囲も大きくなります。システムや法令要件をしっかりと理解しながら、きめ細やかなマネジメントできっちりと業務を推進するのも重要なことです。
革新的なアイデアに挑戦するとともに、お客さまのあんしんや安全をしっかり守る。攻めと守りのバランスも重要ですが、全員が二刀流である必要はありません。どちらかに経験や自信があるという人とチームを組めたらうれしいですね。

私が思うに、転職を希望されている方は、そもそも前向きに自分の夢を叶えたいと思っている人です。そして実際に転職活動している方は実行力を持つ人ですから、私は基本的に転職希望者全員に魅力を感じます。もしドコモに興味を持っていただけたなら、ぜひ扉をたたいてみてください。まずは、ドコモの社員と実際に交流してみてはいかがでしょう。自社のことながら、一人ひとりが本当に魅力的でフレンドリーな社員ばかりなので、きっと気の合う人に出会えるんじゃないかなと思います。私も、お会いできる日を楽しみにしています。

※所属部署・記事内容はインタビュー時のものです。

キャリアパス

1990

NTT入社

2002

NTTドコモに転籍

2017

金融ビジネス推進部 FinTech推進室長

2021

執行役員 金融ビジネス部長

2022

執行役員 スマートライフカンパニー 統括長

2024

常務執行役員 コンシューマサービスカンパニー 統括長

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