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「金融業界では新参者でも、スマホ上のサービスで負けるわけにはいかない」
お客さまの生活に深く寄り添い、新しい金融体験を提供する

現在ドコモでは、スマートライフ領域(非通信領域)の事業を全社的に拡大中だ。その成⾧をけん引するのが、コンシューマサービスカンパニーにおける金融・決済サービス。なかでもクレジットカード事業は、金融決済取扱高13兆1200億円(2023年度実績)のうち、9兆円以上を占めている。「新しい金融体験の提供」を推進するクレジットサービス部長 鈴木貴久彦氏に、事業への思いと挑戦について話を聞く。

鈴木 貴久彦

コンシューマサービスカンパニー
クレジットサービス部長

鈴木 貴久彦

1998年に入社後、法人営業に従事。その後、2002年に社内公募でiモードの戦略子会社に出向し、iモードコンテンツの企画開発に携わる。2006年より金融・決済分野に従事。金融サービスの開発、大手金融機関やベンチャー企業、異業種とのアライアンスを通じて、ドコモの金融サービスをけん引。現在はクレジットサービス部長として、クレジットカード事業および融資事業の推進を通じ、豊かな社会の実現に尽力している。

1. これまでの仕事の経歴

サービス終了寸前から躍進へ。キャリア決済の可能性を信じて、挑戦を直訴

入社当初は法人営業で、東京丸の内にある支店や法人営業本部に在籍していました。ちょうど急拡大していたiモードの企画会社が立ち上がり、社内公募で挑戦できると知って迷わず応募。振り返ると、これがドコモ人生の転機になりました。iモードの普及によって着信メロディや待ち受け画面が流行し、キャリア決済というものが一般化したのもちょうどこの頃だと思います。当時の決済方法というと、今よりオンラインでクレジットカード情報を入力することに抵抗のある人が多く、通販の支払いは銀行振込か代引き。携帯電話でコンテンツに課金するには、わざわざプリペイドカードをコンビニで購入していた時代です。「ほしいと思ったときにその場ですぐに支払いができる」キャリア決済は、提供する側とお客さまを結びつける重要なサービスになるに違いない。携帯電話の強みを活かしたオンライン決済に、大きな可能性を感じていました。

ドコモにとって最初のインターネットを利用したキャリア決済である「iモード情報料」は、iモード公式メニューに参画しているデジタルコンテンツのみ利用できるサービスでした。その他の物販などでもキャリア決済ができるように「請求代行サービス」も立ち上げたのですが、インターネット通販も今ほど盛んではなく、なかなか浸透していかない。本社に帰任したばかりの私は「このサービスをクローズさせるように」と指示を受けたのですが、キャリア決済にはもっと可能性があるはずだと信じていたので、「もう一度自由に挑戦させてほしい」と直訴したのです。

サービス終了寸前のサービスを拡大させるカギは、どこに課金ニーズがあるのかを見極めることでした。考え抜いた結果見えてきたのは、iモード公式メニューに参画していないゲームコンテンツ会社や、ファンクラブなどの非デジタルコンテンツを提供している企業です。彼らにもキャリア決済の幅を広げていったところ、携帯電話のスペックが上がった時期とも重なってインターネット通販も盛んになり、利用者が急増。このサービスは絶対に化けると信じていた通り、あれよあれよという間に広がっていき、なくてはならないサービスとして存在感を高めていきました。サービスが急成長している時のやりがい・感覚は今でも貴重なビジネスにおける財産となっています。世の中に二次元コード決済が生まれたことでさらに進化し、「d払い」と名前を変えて今につながっています。正直、ここまでの成長は想像もしていませんでしたね。一緒にサービスを大きく育ててくれた方々には、感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです。

2. 印象に残った金融領域でのプロジェクト

“ドコモのお客さま”を再定義。
1億人超が利用する共通ポイントが誕生するまでの軌跡

“ドコモのお客さま”を再定義。1億人超が利用する共通ポイントが誕生するまでの軌跡

キャリア決済の次に印象に残っているのは、ドコモポイントを「dポイント」に切り替える社長直轄のプロジェクトです。それまでのドコモポイントは、自動的に付与されるもののお客さまが普段意識する機会は少なく、実質的に機種変更時の割引専用ポイントでした。この状況を変えるべく、dポイントを街中で使える共通ポイントに進化させる挑戦が始まりました。

さらに、このままほかのキャリアとユーザーの奪い合いをしていても日本の携帯市場は飽和するだけだという危機感から、“ドコモのお客さま”の定義も見直すことに。お客さまの定義を「ドコモの携帯電話を契約している人」から「dアカウントを所有している」人に変え、ドコモの携帯電話を契約していない人でもdアカウントを発行すればdポイントを街中で使えるようにしました。こうして、共通ポイント「dポイント」の普及を促進することになったのです。各種キャンペーンや加盟店拡大などの様々な取組みを推進した結果、dポイント会員は1億(2023年度実績)に到達するほど大きな成長を遂げました。
今でもdポイントサービス開始時点の高揚感は強く印象に残っています。d払いと同様で、そのサービスをここまで大きく育ててくれた方々には、感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです。 dポイントは、データマーケティングへの活用にも大きく貢献し、今やさまざまな事業の発展と活性化につながっています。

3. 仕事をする上での信念

世の中の大切なことは、たいてい「めんどくさい」

メンバーには、「めんどくさい」に打ち勝て、とよく伝えています。大切なことは往々にして手間がかかるもの。テレビ番組の宮崎駿氏の特集で見た「世の中の大事なことって たいてい面倒くさいんだよ」という言葉にも深く共感しました。お客さまに選ばれるためには、自分たちが妥協せずに考え抜き、手間を惜しまないことが不可欠です。その努力が、結果としてお客さまの満足につながると信じています。

もっというと、お客さまがサービスを使わない理由も、そのほとんどが「めんどくさい」から。サービスの利用手続きが「めんどくさい」、UI/UXが使いにくくて「めんどくさい」。実際、サービスをつくる過程では時間や予算の都合で割り切らなければいけない場面は出てきます。しかし割り切って妥協した結果、その部分にお客さまから強いご指摘を受けると、悔しさがずっと心に残るのです。自分が「めんどくさい」と妥協した先にあるのは、お客さまの「めんどくさい」になる。だからこそ、まずは自分の「めんどくさい」をしっかりと乗り越えよう。悔しさを繰り返し経験してきたからこそ、その想いをより一層強くしています。

今コンシューマサービスカンパニー内では「お客さま目線」や「顧客起点」という言葉がよく使われていますが、私はずっと「我々は常に選ばれる立場である」という言い方をしています。本当の意味でお客さま目線に立ってみると、ドコモも数あるサービス事業者のうちの1社でしかありません。その中から選んでいただくという意識を忘れてはいけない。社内資料に「新規会員獲得」というドコモ目線のキーワードが入っていれば、「入会促進」(お客さまにご判断いただいた結果、ご入会いただく)に書き直させます。お客さまに選ばれるにはどうしたらいいかと考え尽くすことを、常に大事にしたいですね。

4. 金融決済領域での今後の展望

お客さまの生活に深く寄り添う「dカード」と「dスマホローン」

現在主に担当している事業は、「dカード」と「dスマホローン」の2つです。「dカード」に関しては、おかげさまでゴールドカードの契約数が1,100万を超え、業界トップクラスに躍り出ました。2024年11月には新たにdカードPLATINUMも登場し、今後さらに多くの方により豊かなライフスタイルを提供していきたいと考えています。

「dスマホローン」は、スマホ一つで借り入れから返済まで完結する融資サービスです。生活に欠かすことのできないお金の問題に対して、お客さまがお困りのときに少しでもお役に立ちたいという想いからスタートしました。ドコモであれば、dアカウントに紐づく独自の信用評価により、ドコモならではの審査が可能です。他社では審査が下りない方でも、ドコモなら承認が出せるケースも少なくありません。お客さま個人の信用度に応じた金利を設定することで、なるべく安価に、そして気軽にご利用いただけるサービスを提供しています。

ドコモがなぜ融資を提供するのか、という点については、サービス開発時に社内でも議論になりました。幹部によっては、NTTのブランドにそぐわないという意見があり、事業参入が見送られてきた経緯もあります。しかし時代が変わり、お金を借りることへのイメージも変わりつつあります。法制度が整備され、昔のような悪質な取り立てもなくなってきました。お金に関する心配がある状態は、生きていく上で非常に大きなストレスになります。少しでもそうした問題をやわらげて、困った時にいつでも頼ってもらえるカードローンを提供することが、ドコモとしての使命です。

5. 候補者に向けたメッセージ

金融新参者の挑戦。失敗を恐れず、新たな価値をともに創り出していこう

ドコモで働きたいと思ってくださる方には、ぜひ自分の仕事の範囲を決めつけず、面白いと思うことがあれば何にでも手を出してほしいですね。チャレンジした結果のエラーは、むしろ大歓迎です。小さなミスを経験することで大きなエラーをなくし、それによって高い成果をあげていくことにもつながります。何事にも前向きで積極的に取り組める方、小さい失敗を恐れずチャレンジできる方、お客さまに喜んでいただくサービスを提供するために自ら考え、行動し、結果を出せる方と一緒に仕事がしたいと思っています。

金融・決済分野において、ドコモはまだまだ新参者です。常に挑戦を続けていかなければ、生き残っていくことは難しいでしょう。クレジットカードや融資事業で先行するプレイヤーは幾多ありますが、これがスマホ上のサービスだと考えると、ドコモとして負けるわけにはいきません。これからも、巨大なマーケットで革新的なサービスを生み出し続けていくつもりです。ドコモならではの大規模プロジェクトを通じ、最先端の「決済サービスの構築とユーザー体験の提供」スキルをともに磨いていきましょう。

※所属部署・記事内容はインタビュー時のものです。

キャリアパス

1998

ドコモ入社

2006

キャリア決済の担当をきっかけに金融・決済分野に従事

2024

クレジットサービス部長として、クレジットカード(dカード)事業およびレンディング(dスマホローン)事業の推進を通じ、豊かな社会の実現に尽力

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