PROJECT STORY
ドコモのプロジェクト事例

04
次世代の資産形成サービス
異業種とのシナジーで「貯蓄から投資へ」の流れを加速させる
OUTLINE
ドコモでは、d払いやdカードなどを軸とした、金融・決済サービスのさらなる進化に向けて、マネックスグループ・マネックス証券との資本業務提携契約へと踏み出しました。これにより、マネックス証券はドコモの連結子会社となりました。マネックス証券の社名や企業理念、ブランドはそのままに、ドコモの顧客基盤や事業基盤を活用して、本格的に投資分野に参入します。
2024年1月から始まった新NISA制度により資産形成への関心が高まっています。ドコモとマネックス証券のシナジーにより、次世代の画期的な資産形成サービスを生み出し、「貯蓄から投資へ」の流れを加速させていきます。
2024年1月から始まった新NISA制度により資産形成への関心が高まっています。ドコモとマネックス証券のシナジーにより、次世代の画期的な資産形成サービスを生み出し、「貯蓄から投資へ」の流れを加速させていきます。
PROJECT MEMBER
私たちが紹介します

ウォレットサービス部
(出向)マネックス証券株式会社
(出向)マネックス証券株式会社
Shinya Harada
原田 伸也

ウォレットサービス部
金融決済ビジネス戦略・アライアンス担当/戦略担当
(兼務)ドコモマネックスホールディングス株式会社
金融決済ビジネス戦略・アライアンス担当/戦略担当
(兼務)ドコモマネックスホールディングス株式会社
Kazuki Kashihara
柏原 一貴

ウォレットサービス部
金融決済ビジネス戦略・アライアンス担当
金融決済ビジネス戦略・アライアンス担当
Mana Yamaguchi
山口 真奈

スマートライフ戦略部 アライアンス推進室
(兼務)ウォレットサービス部 金融決済ビジネス戦略・アライアンス担当
(兼務)マーケティングイノベーション部 CXマーケティングPF推進担当
(兼務)ウォレットサービス部 金融決済ビジネス戦略・アライアンス担当
(兼務)マーケティングイノベーション部 CXマーケティングPF推進担当
Kenta Sakamoto
坂本 健太
01
背景とミッション
お客さまの身近な存在であるドコモだからこそできる投資分野での社会課題解決
日本の個人金融資産に占める投資の割合は、諸外国と比較して相対的に低い状況です。しかし、政府が推進する「貯蓄から投資へ」のもと、NISA口座数を5年後に3,400万口座へ倍増させる「資産所得倍増計画」や2024年に始まった新NISA制度などによって、資産形成に対する需要は高まりつつあり、市場成長が見込める分野となっています。そのような潮流の中、ドコモは金融・決済領域において、d払いやdカードなどを提供し、11兆円超という国内トップクラスの取扱高を誇っており、その強みを活かして、FinTechサービスに事業領域を拡大してきました。 今回、マネックスグループ・マネックス証券との資本業務提携による投資分野への参入という踏み込んだ決断に至ったのは、国民が抱く将来や老後に対する漠然とした不安を社会課題として捉え、新たな資産形成サービスによって解決したいという思いからです。ドコモの役割は、投資へのハードルを下げて一般化すること。通信回線やdポイントなどを提供し、お客さまの身近な存在であるドコモならではの金融・決済領域における新たなビジネスモデルを構築し、経済圏を強化することで、投資分野の社会課題を解決していきたいと思っています。

02
ミッション達成に向けたチャレンジ
異業種での提携に向け互いの理念・目的に立ち返りながら成し遂げたいことは何かを追求し続けた
通信と証券という異業種同士での資本業務提携こそが大きなチャレンジでした。考え方や体制をはじめ、さまざまな面において異なっており、その認識の違いを一つ一つ議論し、マネックスグループ・マネックス証券・ドコモの三方良しとなるように、互いに譲る点、譲れない点をすり合わせていきました。なかでも特に難しかったのは、法規制の観点です。ドコモは通信会社なので、金融業法などと照らし合わせるとできないことも多々ありました。そのなかで、できることを洗い出しながら整理し、優先順位をつけて議論をくり返しました。時には議論が暗礁に乗り上げることもありましたが、その際はマネックス証券とドコモが、最初に共有した理念と提携の目的に立ち返り、経営幹部・実務メンバー・外部専門家を含めて幾度も幾度もすり合わせ、プロジェクトを推進することで、最終的には資本業務提携にこぎ着けることができました。法規制の他にも、漏秘匿性の高いプロジェクトということもあり少数精鋭のメンバーで挑まなければならなかったこと、交渉状況の目まぐるしい変化など、課題は常に山積している状態でした。それでも、交渉においてドコモがチームとして粘り強く前へ進むことができたのは、現場だけでなく、経営陣ともダイレクトに意見をかわしながら、「資本業務提携によって成し遂げたいことは何か?」を追求し続けたからだと思います。資本業務提携の発表当日は社内でも拍手が起き、翌日には新聞の一面も飾ることができました。お客さまからも期待感のあるお言葉を聞くことができ、改めてこのプロジェクトに携われて良かったと感じています。

03
ドコモの提供価値と意義
dポイントクラブの会員データと先進技術を組み合わせることでお客さまに寄り添ったサービスを実現
資本業務提携の締結に至るまでも様々な困難がありましたが、プロジェクトにとってはここからが本当の意味でのスタートです。マネックス証券とドコモのタッグ成立により、これからお客さまがもっと使いたくなる、次世代の手軽な資産形成サービスを推進していきます。個人の資産形成を投資によって大きく前進させることで、結果的にお客さまのウェルビーイングの向上にも貢献し、社会的にも大きなインパクトを残していきたいと考えています。そのためにも、ドコモが持つアセットを投資サービスへと上手く活用することが重要です。特に、9,500万を超えるdポイントクラブの会員基盤は、ドコモが提供できる大きな価値です。例えば、マネックス証券とドコモが持つ多種多様なデータをかけ合わせれば、より高度な顧客ターゲティングによって、お客さま一人一人のライフステージにあった金融商品や投資情報を提案することができるようになります。その際、ドコモの研究所が持つAI技術などを活用し、お客さまの資産ポートフォリオや資産形成のゴールなどを踏まえ、投資判断に対してパーソナライズされたアドバイスを提供するようなサービスも検討しているところです。また、dポイント・d払い・dカードなどと証券サービスの連携を強化し、d払い・dカードによる口座への入出金や積立投資、積立ポイント還元投資なども考えられます。ドコモのさまざまなサービスを組み合わせることで、お客さまにもっと寄り添い、本当に求められる投資サポートを誰もが手軽に受けられる環境を整えていきます。

04
これからの展望
本プロジェクトで得た知見を今後のM&Aにおける事業拡大に役立てたい
資本業務提携は、案件ごとに進め方や出資形態が異なるため、常に臨機応変に動くことが求められます。プレシャーとともに、大きなやり甲斐を感じながら一から勉強して業務に当たることで、自分たちに足りていないことも明確になり、どの分野でバリューを発揮できるかを常に考えながら動けるようになりました。指示待ちではなく、プロジェクトを俯瞰して素早く動く力が身についたのは、大きな成長につながったと思います。 これまでのドコモの金融領域は、幅広いパートナーとゆるやかにつながるアライアンス戦略をとってきました。今回の資本業務提携は、マネックス証券を連結子会社として新たにグループへ迎え入れるという一歩踏み込んだ判断をしています。今後は、両者の連携体制をより強固にするためPMI(合併・買収後の統合プロセス)を進め、マネックスグループ・マネックス証券・ドコモ、そしてなによりユーザーであるお客さまを中心に据えて、投資における新しい価値を届けていきたいと考えています。今回の資本業務提携以外にも、2023年10月にはマーケティング支援事業などを担うインテージホールディングスを子会社化しています。今後も、他社の技術や人材とのシナジーを見込んだM&Aによる事業拡大があることでしょう。今回の知見は、その際にも必ず役立ちますし、変化の激しい事業環境においてドコモが成長し続ける企業であるための大きな一歩を踏み出せたという手応えを感じています。

※掲載内容は2023年12月時点のものになります